食卓を彩ってくれるうつわ。
とっておきの一枚があるだけで、料理や食事の時間がちょっぴり楽しくなります。
秋は陶器市や蚤の市が各地で開催される季節。なかでも気になっているのは、栃木県益子町で開かれる『第104回益子秋の陶器市』。
約500ものテントが並び、伝統的な益子焼から全国各地の作家さんのものまで、個性溢れるうつわがお出迎えしてくれます。

陶器市の魅力は、窯元さんや作家さんとお話しながらうつわ選びができること。通りいっぱいに並ぶうつわの中から、目で見て、ふれて、お気に入りの一枚を見つけられたら、これまで以上にうつわに愛着が持てそうです。
新しい出合いを求めて、早速調べてみることにしました。
◆あたたかみのある益子焼のうつわ
益子焼の特徴は、ぽってりとしたうつわ。益子の土は気泡が多く細かな細工を施すのが難しいため、厚みのあるうつわが多くなっていったんだそう。
ぽってりと厚みのあるうつわは、手に馴染むので使いやすく、食卓にもよく登場します。くすんだ栗色や深緑色など、伝統的な色みの釉薬も特徴で、秋の食卓にもぴったり。
かたちや色みなど、あたたかみのある益子焼のうつわ。どんな料理にも合わせやすいので、毎日使いたいうつわに出合えそうです。

陶器市には約500のテントが立ち並び、益子焼だけじゃなく、全国各地の作家さんや窯元さんが集まっています。
それぞれのうつわは個性豊かなものばかり。合わせたい料理やシーンから、当日巡る作家さんを決めるのもいいかもしれません。
どこに行こうか悩んでしまう前に、仲良しのお友達におすすめの作家さんを教えてもらうことにしました。
◇広瀬佳子さんのうつわ

絶妙な色合いのグレーや、他にはないかたちが魅力の広瀬佳子さんのうつわ。益子を拠点に作陶している作家さんで、海外のアートや江戸の文化からインスピレーションを受けているそうです。

八角のロングプレートは、おやつはもちろんとうもろこしやバゲットなど、食材やシーンをシーンを選ばず使えるみたい。
華やかな印象の花リムは、お菓子やフルーツをのせて、ティータイムに使いたいな。
その見た目とは裏腹に、丈夫なつくりなのも嬉しいポイントです。
◇よしざわ窯さんのうつわ

シンプルなものから個性的でかわいいかたちまで、取り揃えているよしざわ窯。他にはない豊富な色合いと、マットな質感素朴な風合いが魅力で、陶器市では朝から整理券を配るほど人気の窯元です。
「たたら作り」で一つひとつ手作りしているから、実際に手に取って自分だけのお気に入りを探したくなります。
繊細なデザインが施されたリム皿には、トーストを合わせて朝食に。1日優しい気持ちで過ごせそう。
◇渡辺篤さんのうつわ

柔らかいブルーグレーのうつわが特徴の渡辺篤さん。よしざわ窯のメンバーとしても作陶されているそうです。
丁寧なしのぎの入ったリム部分は、モダンな印象もあって、どんな料理も引き立ててくれます。
一息つきたいときは、渡辺さんのマグカップでほっと癒されるのもいいかも。
◇阿部慎太郎さんのうつわ

茨城県笠間市を拠点に作陶している阿部慎太郎さんのうつわは、アンティークのような気品を感じるものばかり。
リムに掘られた繊細なレリーフは、美しくて思わず見惚れてしまいます。

優しげなペールグレーの色合いも阿部慎太郎さんのうつわの特徴。少し気合いを入れたい日は、阿部慎太郎さんのうつわで揃えて華やかな食卓に仕上げたいな。
バゲットと一緒にワンプレートにしてみるのもいいかもしれません。
◇後藤義国さんのうつわ

後藤義国さんのうつわは、どんな食卓にも馴染む白としのぎの模様が特徴。
うつわやカップも魅力的だけど、私が気になったのは花器。
粉引特有のあたたかみのある白は、飾った花を静かに際立たせてくれそうです。
後藤義国さんは、益子を拠点に20年以上活動を続けているみたい。
陶器市に行くたびに、少しずつお気に入りのうつわを見つけたいな。
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作家さんのことを調べているだけでも、自分の食卓を想像してわくわくしてしまいます。
益子陶器市は東京から行きやすいこともあり、混雑することが多いみたい。朝から気になる作家さんのブースに行ったり、宿泊して街全体を巡ったり、楽しみ方は人それぞれ。
今年は、陶器市でどんなうつわと出合えるんだろう。秋の食卓を楽しみにしながら、益子の街へ出かけようと思います。
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第104回益子秋の陶器市
開催日:2019年11月1日(金)~11月5日(火)
時間 :9:00~17:00
場所 :栃木県芳賀郡益子町
HP:http://www.mashiko-kankou.org/ceramics_bazaar/
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益子出身のプロップスタイリスト・西村有さんに教えてもらった益子焼も心ときめくものばかり。記事はこちら▶︎https://ccrne.jp/articles/2473