涼やかな空気に、しっとり、秋を想う「白露」

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吹く風に涼しさがまざりはじめたこの時期は、二十四節気の「白露」です。「あっという間に秋ですね」なんてあいさつが増えてきた近ごろ。夏の終わりは少しさみしいけれど、ふと物思いにふけってしまう秋のはじまりに、心ときめくのも事実。「月が綺麗」って、誰かに伝えたくなってしまいます。

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あんなに暑かったのに、季節はちゃんと巡ってくるんだなぁ。

なんて、少しほっとしてしまうこの頃です。

9月の始まりは、二十四節気の「白露(はくろ)」。

みずみずしく響くこの名前の由来は、朝晩の涼しさが辺りの草木に露を宿すことからつけられたそう。

そんな白露の時期には、日本人らしい文化を感じる風流な慣習も。

そこで昔、おばあちゃんが教えてくれた秋の行事を思い出してみました。

気温と一緒に心も落ち着けて、秋を心から楽しみたいな。

◆朝晩の涼しさと、草木に宿る露

日中の日差しは元気でも、朝晩の少しひんやりした空気に夏の終わりを感じます。

朝と昼、昼と夜の温度差によって、この時期、辺りに生える草木には小さな雫が。

ここから「白露」という名前がついたと聞いて、うっとりしてしまいました。

白露は、「露」の美称で「しらつゆ」とも読みます。

古くから、中国では四季を色で表現していたそう。

春は青、夏は朱(赤)、秋は白、冬は玄(黒)。

木々が鮮やかに色づく秋が「白」だなんて少し意外に感じたけれど、

一日の始まりと終わりに、草木の上で白く輝く露を思うと納得です。

きっと秋は一瞬で深まってしまうから、夏から秋への移り変わりを楽しむために、窓辺にキャンドルを並べてゆっくり過ごしてみることにしました。

◆長寿を祈る「菊の節句」

旧暦の9月9日は、「重陽の節句」。

「菊の節句」の別名を持つこの時期に咲く菊は、人々に長寿の力を与えてくれると信じられてきたそう。

この時期に出てくる和菓子は「着せ綿(きせわた)」。

平安時代から続く行事にちなんだお菓子です。

重陽の節句の前夜、うすく綿をのせた菊の花に夜露が降りると、綿に菊の香りがうつり、その綿を体にあてて、長寿を祈ったのだそう。

そんな美しい風習に思いを馳せながら、「着せ綿」を探しに近所の和菓子屋さんを覗いてみようかな。

◆うっとり、月に想う。「中秋の名月」

一年のうちに何度も訪れる満月の中で、最も美しいと言われているのが、旧暦8月(現在の9月)の十五夜である「中秋の名月」。

 月々に月見る月は多けれど

     月見る月の月はこの月

なんて和歌もあるくらいです。

小さい頃、おばあちゃんと一緒に準備していたあれこれを思い出しながら、お月見をしてみようと、すすきとお団子を用意しました。

澄んだ空に浮かぶ月を眺めていると、思わず誰かに「月が綺麗だね」って言いたくなったり。

一緒に素敵な景色を見たいと思える相手が思い浮かのは、とっても幸せなことですね。

***

旧暦の9月を指す「長月」の名前は、「夜長月」を略したものと言われています。

刻々と日が短く、夜が長くなっていくこの時期には、静かにしっとりとした時を過ごすのもいいかもしれません。

ふと耳をすますと、街の片隅でも鈴虫の声が聴こえてきました。