しとしと雨の音に、実りの季節を思う「芒種」

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植物との暮らし

「芒種」は、二十四節気の中で梅雨の入り口にあたる時期。眩しい日差しに活力を感じていた最近ですが、これからはしとしとと雨音に耳をすます日も多くなりそうです。「今日も雨だ」なんてがっかりせずに、潤いに満ちた豊かさを感じられる余裕を持っていたいな。

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まぶしいほどの日差しに「もうこのまま真夏になってしまうかも」なんて思っていたけれど、季節はちゃんと巡ってくるもの。

ぽつぽつと降り出す雨に、ちょっとだけほっとしたりするこの頃です。

6月に入ったばかりのこの時期は、二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」。

梅雨のはじまる季節でもあります。

雨の日が続くとちょっぴり憂鬱になってしまいそうだけど、農作物や草木が育つためには、なくてはならないもの。

そんな日々に、きちんと豊かさを感じられるような心の余裕を大切にしたいな。

そう思って、この時期らしい「恵み」を感じるためのあれこれを考えてみました。

◆穀物の豊作を祈り、普段の当たり前に感謝する

芒種とは、稲や麦など「穂」が実る植物の種を蒔く頃のこと。

ちなみに、穂先にあるフサフサした針のような部分を、「芒(のぎ)」と呼ぶんだそうです。

かつてこの時期は田植えをはじめる時期でもあったことから、今でも芒種の頃には田植えにまつわる祭事が日本各地に残っているみたい。

日本は「瑞穂の国」という別名があるくらいに、人々の営みと稲作が深く結びついていると聞いたこともあります。

毎日のように食べているごはんも、実はそんな背景があると思うと、いっそうありがたさを感じたり。

せっかくだから、明日のお弁当にはふっくら握ったおむすびをつくろうかな。

◆部屋にあじさいを迎える

芒種の季節には、あたりを包む空気がしっとりと水気を帯びはじめます。

そんなこの時期を知らせるように咲くのが、梅雨の風物詩、あじさい。

雨に濡れるあじさいを愛でるのもいいけれど、おうちの中に生けて季節を味わうのも、大人になった今だからできる梅雨の楽しみ方かもしれません。

お花屋さんには、たっぷりと花をつけた色とりどりのあじさいが並んでいました。

ちょっと珍しい品種のものにしようかな、なんて迷ったけど、まずは王道の水色を。

厚い雲に覆われて日差しは届かなくても、この子のおかげでお部屋がぱっと明るくなりました。

◆まんまるに実った梅を漬け込んで、梅雨明けを待つ

「梅雨」という言葉の通りに、この時期に旬を迎える梅の実。

小さい頃、祖母の家に行くと、ガラスの瓶に漬け込まれた梅がまるで秘密のお薬みたいでドキドキしたっけ。

祖母に作り方を教わって、今年は自分で挑戦してみたいなと思います。

宝石のようにほんのり透き通った氷砂糖が溶けきると、トロンと甘い梅シロップの出来上がり。

その頃にはきっと、梅雨も明けているはずです。

***

雨の日も好きかもしれないな。なんて思えるようになったのは、きっとそんな梅雨の楽しみ方が分かってきたから。

そういえば、「雨の日は雨を愛す」なんて言葉もありましたね。

その時々を大事に味わって、小さなよろこびを感じていたい。

しとしと雨のこの季節こそ、静かにそう思えるのかもしれません。