心に残る出合いを探して。陶器市で探すお気に入りの益子焼

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私のとっておき

日々のうつわにこだわりたいけれど、作家物のうつわを選ぶ機会ってそう多くはないし…。それなら、毎年各地で連休中に開催される陶器市に行ってみるのはどうでしょう?都心から日帰りで行ける益子は、うつわ初心者さんでも楽しめる場所。そこで、素敵な益子焼をプロップスタイリスト・フォトグラファーの西村有さんに教えてもらいました。

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せっかくの長いお休み。

いつもよりちょっと特別なことをしたいな、なんて思っていたら、友達から「益子の陶器市に行かない?」とお誘いが。

毎年この時期は、日本各地の焼き物の産地で「陶器市」が行われているんです。

東京から日帰りでふらりと行ける栃木県の益子も、そのひとつ。

せっかく行くならちょっと予習しておきたいな、なんて思ったので、益子出身のプロップスタイリスト・西村有さんに、普段愛用している益子焼を教えてもらいました。

◆渡辺篤さんのコーヒーセット

可愛いブルーグレーに一目惚れしてしまったのは、渡辺篤さんのうつわ。

柔らかいブルーグレーと、丁寧な縁取りがポイントになっていて、温かみがありつつ、モダンなデザインが普段使いもしやすいんですって。

コーヒーやチョコレートの茶色と、淡いブルーグレーの組み合わせがとっても綺麗で、有さんのコーヒータイムをいつも彩ってくれているそう。

春と秋の陶器市のみ、実際に手に取って購入できるので、毎年数点ずつ大事に追加していきたいな。

◆よしざわ窯の平皿

手に取りやすい値段と可愛い見た目で、年々人気が高まっているよしざわ窯。

もともと、うつわ好きの吉沢理恵さんが、益子の窯元に嫁いだことをきっかけに、生み出されたものだそうです。

和でありつつも洋風のエッセンスを感じるデザインで、うつわに料理を盛るだけで空間を素敵に演出してくれます。

明るい色味のお皿は朝や昼用、暗い色味のお皿は夜用として使い分けているそうです。

オーバルのような横長の平皿は、魚や肉料理にもぴったり。

大人っぽいデザインに惹かれて、最近ついつい買い足してしまったんだとか。

◆わかさま陶芸(若林健吾さん)の急須と湯呑み

わかさま陶芸の急須と湯呑みは、いつまでも飽きのこない、優しいアイボリーが魅力。

ところどころ見えている土の色が、見た目にほどよいニュアンスを与えてくれています。

コロンとした丸みを帯びた形や、優しい手触りが手に馴染み、使い勝手も抜群だそう。

見て、触れて、使用して。その心地よさを五感で楽しめるうつわです。

◆中園晋作さんの鉢とお茶碗

ニュアンスのあるくすみカラーのお茶碗と、グラデーションが美しい鉢は、どちらも上品な薄さ。

シンプルながら、まるでアートのような色合いと、均整の取れた形が人気です。

鮮やかな青のグラデーションなので、グリーンサラダや、上品な小ぶりのデザートをよそってもよさそう。

「あまりに素敵なので、若い頃、あてもないのに将来のために夫婦茶碗として買っちゃった」

なんて、有さんのキュートなエピソードも。

◆ネギシ製陶(根岸竜馬さん)の鉢

ネギシ製陶のうつわは、絶妙なくすみグリーンのグラデーションと、すっきりとしたシルエット。

主張しすぎず、持ちやすい大きさで使いやすいそう。

くすんだグリーンの鉢を陶器市で探しに探し歩いた末に見つけ出したのが、このうつわなんですって。

取り分け用のサラダ鉢として使っても、一人用の軽めの丼に使っても◎。

色も形も使いやすいので、別のうつわも欲しくなってしまいそうです。

◆一つひとつの出会いを大切に、うつわ探しのコツ

「素敵なうつわがたくさんあって、迷ってしまいそう…。」

そんな嬉しい悲鳴をあげそうになっていたら、有さんがうつわ選びのコツを教えてくれました。

作家さんが手仕事でつくる焼き物は一つとして同じものはないので、ちゃんと手にとって、色合いや手ざわり、大きさを感じることが大切なんですって。

さらに、日々の暮らしで使っているイメージがつくこともポイントだそう。

反対に「こんな用途の器が欲しい!」と見当をつけておくと、あれこれ目移りしすぎずに選べるんだとか。

とはいえ、実際に見てまわっているうちに運命的な出会いがあるのも確か。

直感で「これ素敵!」と思ったものは、後悔しないように買うのがおすすめみたい。

◆街がうつわで華やぐ陶器市の魅力

陶器市では好きな作家さんをお目当てに行くのももちろん良いけれど、せっかくたくさんうつわが並ぶので、ぶらぶら散策するのも楽しいみたい。

そんな風にして、ふらりと素敵な作家さんに出会えても、数年後には大人気になってもう買えない…ということも多いんだそう。

だから、有さんも毎年新しい方に出会えるように、益子陶器市の期間中は街中を歩いてまわるんですって。

***

初夏を感じる爽やかな風を受け止めながら、うつわで彩られた街を散策。

どんなうつわと出会えるかな?なんて思いを巡らせて、たくさんの作家さんとお話しできるのも、陶器市の楽しみのひとつです。

せっかくアドバイスをもらったことだし、思わずきゅんとしてしまうような、私好みのうつわに出会いたいな。